人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いつもの目

 ここ数日の雨で桜もすっかり散ってしまった感があります。
 毎年不思議に思うのは、「ああ、そろそろ満開ね」と思うと、何故か雨が降ること。全てが予定調和のような変化を見せるこの季節は、自然の精巧さを改めて思い出す季節でもあります。

 ところで私の部屋の前には1本の柿の木があります。お隣の部屋の前にもう1本。これからの季節、むくむくと葉っぱが生い茂り始めます。で、何年もここに住んでおきながらこの春、初めて反対側のお隣には桜の木があることに気が付いたのでした。
 白い山桜なのですが、白い花の色のせいなのか、花と一緒に葉も見えるせいなのかは分かりませんが、ほんとにほんとになぜか気が付かなかったのです。
 ベランダからしばし見とれた後、隣もきっと柿の木、と思い込んでいたのかも?と思ったのでした。(それとも植え替えたのかしら?)

 いつも同じ景色が存在していると、なんとなくそこにはこれがある、といった「いつもの目」が出来上がってしまうようです。「いつもの目」で見ていた景色を意外な側面から見たとき、そこには小さな驚きがいつも隠されています。
 そう言えば昨晩表参道の交差点でふと見上げた夜空に浮かぶ三日月。参道脇の木と横に立つうっすらと明るいビルとの間にぽっかりと浮かび、まるでポストカードのようなバランスのとれた美しさでした。
 友人と二人、「なんだか凄く綺麗じゃない?」としばし見とれてしまいました。

 様々なことが始まるこの季節、改めて「いつもの目」を取り外して、自分の身近な景色を楽しんでみようかな?と感じました。
by sweetflowers | 2005-04-14 10:03 | 日々のあれこれ
<< 最高のものを手に入れる 地道に積み上げること >>