おじいちゃんの口癖

もう亡くなってしまったのだけれど、母方の祖父のところに遊びに行くと、いつもたわいの無い近況報告をして過ごした。私が何か話す度、祖父は「それは良かった」と相槌を打ってくれる。何杯も何杯もお茶を注いでくれながら。

祖父は結構とぼけたキャラクターで(血なのか?)齢80を過ぎても、散歩に出る時は必ず鏡を見て髪を梳いて出かけていく。「なんか道でいつもすれ違う女性がいるらしいよ」と聞いたので、「そうなの?」と聞くと、都合の悪いことは聞こえないらしくニコニコ笑っているだけだ。

病気もあまりしなかったけれど、一度入院したことがあった。親戚が集まる中、無事持ち直し「あとこれだけは生きる」と指を3本立てた。「そんなじいちゃん、あと3ヶ月だなんて気の弱いこと」などと言う言葉に手を振り「あと3年で100歳だからそれまで生きる」と言って周囲をびっくりさせた。残念ながら100歳まであと1ヶ月というところで亡くなってしまったのだけど・・・・。

そんな祖父の「それは良かった」というちょっと飄々とした相槌は、今でも懐かしく耳に残っている。熱すぎることなく、冷たいことも無い。丁度良い温度で「それは良かった」と言って貰える事は以外に無いな、と思ったりする。

祖父が淹れてくれたお茶のように、ほっこりとしたあったかさをお腹に残すような「良かった」を言えるには、きっと色んなこだわりを捨てていく必要があるんだろうな、なんて思っている。
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by sweetflowers | 2006-07-14 00:06 | 日々のあれこれ | Trackback | Comments(0)
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