積み重ねが生む幸せ

今年のうちにすっきりしておきたい、と先日美容院へと出かけました。行くとなると時間も掛かるし、ここのところ忙しかったので、ちょっと久し振りとなっていたのです。

数年前より、私の髪はOさんにお願いしています。不器用な私でもそれなりにできるスタイルにしてくれるので、パーマをかけるのか、とか、長さを、それも「今と余り変わらない長さで」とかそんな感じで伝えるだけでほぼお任せ状態です。

そんな感じで今回も長さだけ伝えると、Oさんは私の髪に鋏を入れていきます。顔の横にある髪にレイヤーが入るとそれだけで雰囲気が変わり「わぁ、これだけでも変わるんだぁ、面白いね」なんて話すと「そうなの、面白いでしょう」とOさん。

Oさんは座っているお客様の後ろに立った瞬間に、いつもぱっとその人のためのスタイルがイメージできるのだそうです。逆にごく普通に目の前に立たれて「どんな髪形がいいと思う?」と聞かれても「?」という感じで全然イメージが湧かないらしいのです。でもその定位置に立った時には、相手が何も言わなくてもその人が髪に持っているコンプレックスまでもが分かるのだとか。

「どうしてですか?」と聞くと「多分、初めて美容師として働き始めた時から徹底して訓練してきたからだと思う」との答え。

美容師になって最初に働いたお店では、カットモデルでの練習のたびに事細かく先輩に質問されたのだそうです。例えば「その人がこれから就職活動を迎える学生」といったライフステージやライフスタイルを説明し、それを考慮した結果どんなスタイリングを行ったのか。それからカットをするのもただ鋏を入れるのではなく、なんの目的でその場所にレイヤーを入れたのか、といったスタイリングの根拠も質問されるので、自分が行うこと全てが説明できるように意識的に作業を行うように叩き込まれたのだとか。また、アシスタントとしてお店に立っている時は、先輩がカットしている後ろでどんな風に鋏を入れているのかじっと観察をして、その後自分がブローをしている時に「あ、だからここをこんな風にカットしたんだ」と気が付いたり、確認したりしたのだそうです。

指摘されてへこんだこともたくさんあったけれど、それでも本当に辞めたいと思ったことはない、とも。そうして最初のお店で教わったことをその後も独自に訓練を積み重ねていって、ベテランとなった今でもそんな勉強の日々はまだ続いているのだということでした。

「美容師って遊んでいるように思うかもしれないけれど、全然そんなことない。生活全てが美容に繋がっているし、その為に例えば友人関係とか犠牲にするものも多い」とOさんは教えてくれました。そうやって何年もかけて積み上げてきたものが生み出すOさんの技術は、本当にたくさんの人を喜ばせてきたのだと思います。

「技術で仕事をするってそういうことですよね」と言うと、Oさんは大きく頷いていました。

私自身も今、自分の生活全てがセッションへと繋がっていることをしみじみと感じていたこの頃でしたので、Oさんのお話は自分への励ましのようにも思えました。

さて、全てのスタイリングが終わって、Oさんが私の後ろに立ちながら説明してくれます。「顔の横にレイヤーをいれてあるから、ほら、こうやって後ろで結んでも髪が少し残るからいいでしょ?」

長くなってきた髪を結んだ時に、ひっつめた感じにならないように、そんなこともいつの間にか計算していたようです。鏡の中のOさんに向かって、私も笑顔で答えます。

「わぁ、嬉しい。ありがとう、Oさん」

これで髪も新年を迎える準備ができました。
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by sweetflowers | 2007-12-28 00:25 | 日々のあれこれ | Trackback | Comments(0)
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