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委ねるということ

秋田県角館に行った友人から、山桜細工の小さなケースをお土産に頂きました。山桜の樹皮が蓋の部分に貼ってあり、そのゴツッとした独特の質感は、銀色をした金属製の本体に不思議な温かみを添えています。

バッチ博士が晩年に見つけ出した19種類のエッセンスを、セカンド19と呼んでいますが、その中にチェリープラム(バラ科サクラ属)のエッセンスがあります。

このエッセンスが発見される数日前より、バッチは頭と顎一帯に正気を保っていられないほどの激しい痛みに襲われます。絶望感を伴う痛みの中でチェリープラムを見つけたバッチは、花の付いた枝を煮沸してエッセンスを作り出しました。このエッセンスを飲んだところ、心の苦しみと共に体の痛みもひいたのだそうです。

手元にあるフラワーエッセンスレパートリー―心と魂を癒す、花療法の総合ガイドを開いていみると、チェリープラムのポジティブな性質として「霊的な信頼感」、「より高い力に導かれ守られていると感じる能力」、「委ねることができる」ことなどがあげられています。この「委ねる」というのが、私にとって実感しにくい感覚の一つでもありました。

私にとって「委ねる」という言葉は「恐怖感」とセットになった言葉でした。それは「委ねる」ということが、私の中では「殉教者」のイメージとどうしても結びついてしまうからなのです。で「そんなの困ります!」という感じで腰が引けてしまったりなんかして、どうにかコントロールできないものか、と見えない糸を心の中で握り締めてしまう。そんな感じでしょうか。

けれどもこれが正に学ばなければいけないところで、先に「信頼」を差し出す必要があるのですね。「絶対に自分は悪いことにはならない」ということ、そして「自分をしっかりと守ってくれる存在があるのだ」ということを心に抱きながら人生に取り組んでいくことで、握り締めていた手を緩めて、事が起きるがままに受け止めていくことができるのだろうと思います。

さて、桜の枝を作って布を染めることを桜染めというのだそうです。淡いピンク色に布を染める色素は、表面の樹皮をはがした木部から煮出したものです。ゴツゴツとした固い枝から、淡く心安らぐ色が染み出てくることの不思議。しかも寒い季節の枝の方が、色味が濃くなるのだとか。

厳しく辛い、とても心穏やかには過ごせそうも無い状況の中にいる時。それでも、自分の心の中で穏やかな色を湛えている部分があるということ。

チェリープラムは、そんな感覚をサポートしてくれるエッセンスなのだろうと感じています。
by sweetflowers | 2008-02-03 18:38 | フラワーエッセンス
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