
店先で春の七草が売られているのを見て、「そうだ、明日は七草粥の日だ」と思い出しました。
お正月休みも終わってなんとなく日常が戻ってきたところで、そんな日があることをすっかり忘れていたのです。明日の朝頂けるように、きょうのうちに準備しなくちゃ。
ところで、春の七草。
せり、なずな(ペンペン草)、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)の7つですが、最近あまりみかけないなぁ、などと思いました。子供の頃はよく見かけたのだけれど、背が伸びるとともにそんな植物も視界からすっぽりと抜けていってしまったようです。
子供の頃、自宅の近くには野原がありました。
そこではなずなやごぎょう、はこべらなどが生えていて、どれもとても身近な植物でした。
摘み取ったなずなの茎を左右に揺らしながら、「ぺんぺん」というには少々頼りない音を立てながら歩いた学校からの帰り道。
ふわふわとした白い毛におおわれた茎に触れる度に、不思議な感触を楽しんだははこぐさ。
ふと記憶によみがえる子供の私は、たったそれだけのことでも驚きと喜びに満ちていたのだなぁ、と改めて気がついて、ちょっと不思議な気持ちになりました。
いつの間にか自分を取り巻く世界から、そんなワクワク感を遠ざけていたのかもしれない。
なんてことを、春の七草を前に思ったりしています。
でも、今でも十分周りに溢れているんですよね、きっと。